09)卵巣ガン 再々々発(手術)

2007年1月19日 (金)

卵巣ガン(回想) 4-1

卵巣ガン(回想) 3-3のつづき

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根治目的の腔内放射線治療もようやく終わり、一息ついていた。

季節は夏・・・。振り返ると、私は夏が苦手らしい。(若い頃は違った)
ここ数年は必ず夏バテして病院のお世話になる。体調を崩したまま秋を迎え、初冬には再発している。このパターンが続いている。

2005年の夏も私にはキツかった。
原因不明の頭痛と吐き気・嘔吐に見まわれ病院のお世話になった。

月一回の定期検査は順調だった。CTの画像を見るまでは・・・。
腫瘍マーカーもジリジリと上がりだした。主治医W先生に言われたことは、またも『再発』の2文字だった。前回と同じところだ。

何の為の抗がん剤なんだ!何の為の手術なんだ!何の為の腔内放射線だったんだ!また、崖下に突き落とされた。

1年の内に2度も手術をするなんて・・・。初発から数えれば4回目の手術だ。

また夫と母にこの状況を説明しなくてはならない・・・。気が重いことだ。

W先生は、手術を勧める。前回の開腹手術時の様子から、尿管の癒着、腸の癒着があるので識別する為に尿管にカテーテルを挿入するという。また、腸の癒着は穴があいても縫えばいいから大丈夫だとの説明だった。まさか、あんな事にあるなんて思いもよらなかった。

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年が明けるのを待って、2006年1月松飾も取れぬうちに入院した。

翌日手術。腟断端左部腫瘍切除術(腟断端一部切除)

術前処置として尿管にカテーテルを挿入。挿入は泌尿器科の外来にて施行。痛いということで尾てい骨に麻酔を注射してもらった。麻酔のほうが痛かったかもしれない。
男性が多い泌尿器科、同じような診察台だが婦人科とは雰囲気が違いかなり戸惑う。
麻酔が効いていても重苦しさはある。違和感と痛みが襲う。麻酔が切れてくると更に増す。排尿時に激痛、気が遠くなる。トイレでたまらずナースコール。過呼吸の発作も出てしまい、顔面蒼白・手足のしびれ・・・もうダメだ。一歩も動けない。

看護師さんと研修医の先生方が出てきてベットまで運ばれる。幸先悪い・・・、不安が募る。

尿管カテーテルが痛い、苦しい、おしっこが出ない、おしっこをすると痛みが走ると告げる。またレントゲンを撮る。泌尿器科の先生が来てくれ、「入れ直すか?」と言われるが、また同じ痛みを味わうのはイヤだったので痛み止めを飲んでガマンすることにした。

安定剤も飲んで明日の手術に備えた。

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手術当日、夫と両親が手術に立ち会ってくれた。手を振って別れた。

※ここからは、夫と母から聞いた話です。

手術中、担当医が手術室から出てきた。

夫と両親が呼ばれ、こう切り出された。
腫瘍は切除できました。尿管にも癒着はありませんでした。が、腫瘍と癒着した大腸を切り離して進んでいくうちに浸潤した部分に入ってしまったので、急遽外科から応援をもらい、大腸の一部も切除し縫合しました。ですが、縫合部分は放射線が当たっていて硬化しているため、くっつかないかもしれません。人工肛門になる可能性は50パーセントあります。・・・・と。

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200711901 上方にある⇔矢印と下方にある⇔矢印の間を切除した。

腫瘍を間に挟んで腟断端と大腸を一緒に切り取った。

下方の⇔(矢印)あたりが放射線が当たって硬化しているところ。

皮肉だ。この腔内放射線が後々までひびくとは・・・。

とりあえず、手術は終わった。この数時間後、私は目を覚ます。

この話を麻酔が切れかけたアタマで聞いたが深刻さは感じずに、まさか自分が縫合不全になろうとは思いもしなかった。

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術後1日目、相変わらずキズは痛い。(4回目ともなれば予想できる展開。慣れもでる)

術後2日目、3日目、食欲ゼロ。流動食が出る。オレンジジュースや白桃のピューレがおいしい。

術後4日目、5日目、徐々に回復したが、オナラが出ない、腹が張る。便も出ないので苦しい。下剤、カマを処方される。・・・が、出ない。 
尿道カテーテルを抜去され、トイレに行くが尿意のみでおしっこが出ない。激痛に襲われて疲れ果てる。術前に入れた尿管カテーテルが体を動かす度に痛い。ベット上で看護師に導尿してもらうが痛みが酷く、再度尿道カテーテルを挿入した。早く尿管カテーテルを抜いてくれるよう主治医に懇願した。(尿管カテーテルが排尿障害の原因だと本人は思っていた)

術後6日目、便と排尿障害以外は順調。大部屋に移動。気分もいいし看護師さんが今日当たり髪を洗おうか?と言ってくれる。午後からは抜鉤の予定だ。
ドレーンを抜去しようと新人女医さんがやってくる。嫌な予感が的中し、いつもと違う痛み。ドレーンが抜けない。力任せに引っこ抜かれた。なんだかブチっといったような・・・感じがした。えーっ、なんで出血・・・?と私。
慌てた女医さんはドレーンが出ていた痕を押して止血しながら縫いたいと言い出す。腰の奥が重く痛い・・・鈍痛がつづく。居合わせたYセンセは、大丈夫。大丈夫。と言う。

その言葉を信じて、ロキソニンを飲んでしばらく休む。

目が覚めてベットから立ち上がると破水したように廃液がドバッと流れ出た。また、いやな予感がする。
痛みは、ますます増してくる。今まで体験したことのない痛みが襲ってきた。
ナースコールを押す。看護師がくる。痛みを告げるが対処が遅い。遅く感じているだけか?とにかく何とかして欲しい。痛み止めを注射してもらう。しばらく経つとまた、痛みがおそう。腰が苦しい、下腹部が痛い。ナースコールを何回も鳴らす。皆、困惑する。ナースステーションの側の部屋に移って様子を見る。そんなやり取りが深夜まで続いた。強い薬を打たれて眠ってしまった。
様子を見に来たW先生に気づいた。ショック状態が治まったと思った先生は私の肩をポンポンとたたき、もう大丈夫だと安心したのか帰っていった。その時、私は痛みと置き場の無い身体を持てあましていた。薬で朦朧として声も出ないくらい疲れきっていた。このまま死ぬのかとさえ思った。

外が白々してきて、いつもより早く夫が来た。昨日のからの様子を話したら、予感していたらしく胸騒ぎがして早く来たとの事。心細かったのでうれしかった。

身体は重く鉛のようだ。貧血の症状に良く似ている。痛みもまだある。便意を模様して、看護師さんにポータブルトイレを部屋に持ってきてもらった。

ようやく便が少し出たと夫に報告した。二人で喜んだ。
だけど、ベットから立てなくなった。看護師さんに紙おむつをしてもらった。トイレに間に合わず、紙おむつの中に便を出してしまった。処理を頼んだ看護師さんは私のおむつの処理をしながら無口になってしまった、どうしたんだろうと思っていたら、ポータブルトイレの中も覗いて去っていった。私はまたも便意を模様して思いっきり、いきんだ。その時看護師さんが戻ってきて言った言葉は、「下血しているので輸血します」だった。今、出したその便を初めて確認した。ポータブルトイレの中はドス黒い血の塊が飛び散っていた。ショックでアタマが真っ白になった。そして声を出して泣き崩れた。

                                つづく

※ドレーン抜去と縫合不全の因果関係は不明です。縫合不全は卵巣ガン手術の合併症です。ドレーン抜去時に急変した原因説明を医者に求めました。医者の説明は、縫合不全との因果関係はないとし、ドレーン抜去で急変したのではないとも夫や私に説明がありました。新人女医に不信感は募りますがその証明は難しく、究明する時間と体力は当時の私や家族にはありませんでした。今の私の心境はすべて合併症と偶発症であったとして、考えないようにしています。手術の同意書には、予測される危険性(合併症及び偶発症)が記されています。これの意味する所は、「医療ミスではなく誰の責任でもない思いがけない症状が出る。」ということです。事を蒸し返すつもりも荒だてるつもりもありません。

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