02)卵巣ガン 初発(手術)

2006年6月19日 (月)

卵巣ガン(回想) 1-2

入院から退院。そして告知

「手術終わりましたよ。聞こえますかぁ?オレンジさん、聞こえるぅー?」と看護師さん。「みかん、みかん、手術終わったよ。成功したよ。」と夫。目が開いてるはずだけど良く見えない。「うん、うん」と私。寒くて寒くて身体がガタガタいっている。電気毛布で巻かれて・・・・。

再び目が覚めたのは、朝だった。

夫も、入院の支度のため一旦自宅に戻り、母もまだ来ていない。酸素マスクを自分で取り、辺りをボーっと見回した。・・・動けない。右手がどうも動かない、寝違えたみたいだ・・・。点滴がついた左手で傷口をそーっと確かめた。・・・傷口が痛い、どうなってるんだろう?それにしても痛い。

誰かが入ってきた。母か?? ん?なんと仕事先の先輩だった。心配してきてくれたようだ。術後数時間というのに身内ではなく彼女だった。彼女は少々取り乱していたようで、私も何も言えずただ彼女の「入院してびっくりした」「ごめんね」「大丈夫」の言葉にうなずくだけだった。(記憶があやふやですみません)話し終わると矢継ぎ早に彼女はお見舞いを枕元に置き、帰っていってしまった。眠くて眠くて仕方が無い・・・。たぶん私は彼女の話もろくに聞かず、もうろうとしていたのだろう。悪い事をしてしまった。

看護師さんが様子を見に来た。「化粧をとりましょうね」といいながらやってきた。その時 ”あぁ 私、化粧したままだったんだ。”と気づいた。鏡を見せてもらったら、唖然。目の周りがすごいことに・・・。 えらい顔で彼女に会っていたことに落ち込んだ。 コットンに洗顔フォームを含ませたもので看護師さんは、ていねいに顔を拭いてくれた。。

お尻が痛い。床ずれ?まさか・・・。看護師さんを呼んでみてもらった。年配の看護師さんだったが、やはり床ずれとの事で呆れられてしまった。空気を入れるタイプの円座を貸してもらった。空気を適度に抜いて高さを調節した。使い心地はよかったがそれだけでは治らず、清拭用の蒸しタオルを何度も当ててようやく治った。

2日目には、トイレに行きたくて、尿管を抜去してもらい、「まだ早いんじゃないの?大丈夫?」という看護師さんを振り切りトイレへ歩いていった。自分でもびっくりするくらいの回復力だった。術後落ち着くまでは1人部屋。その後、大部屋に移される。そんな事も分からず、(なにせ緊急オペ・入院だったので何の説明も段取りもしていなかった)大部屋に移される事に随分反発していた。

11日間の入院生活となったが、はやく会社へ復帰したくてジタバタしていた。

退院の三日前、Y野先生より検査の結果、退院OKと言われ、ガンじゃなかったんだと喜んでいたら、検査は検査でも検査違いだった。私はおおきな勘違いをしていた。先生の言っていたのは退院のための血液検査だった。それが分かったのは、退院する前日、Y野先生にカンファレンス室に夫と呼ばれ、何の前置きもなく話が唐突にはじまった。ガンの種類とステージⅡcだったという摘出した細胞の病理検査結果と手術したときの状態。右卵巣の破裂と内容物が骨盤内のあちこちにバラまかれていたことやそれを出来る限りすくって取ったが取りきれなかった事。抗がん剤治療が今後必要だという事。何処で治療をするかなどの話が淡々と進められていた。心の準備を全くしていないで来てしまい、いきなりの告知。かなりショックが大きかった。涙が溢れて、ぬぐってもぬぐっても後から後から溢れてきて、どうしようもなくなって・・・。先生が、夫が、何を話しているのか・・・。

もう1人の自分が、大丈夫!大丈夫! 落ち着け!落ち着け!と言ってる。

夫も終いには声を詰まらせている。私を励ましてくれているのに・・・。

”夫、ごめんね。”

母になんて言おう・・・。心配かけたくないし黙っていようか?退院当日、ニコニコ笑顔で退院を祝う母に私は何も言えず、迎えに来た父の車の中で、「退院祝いの膳を用意しているのよ」と笑う母に、私は隠し切れなくなり、とうとう涙ながらに卵巣ガンだったことを告白したのだった。

(後から、外来の診察室前の掲示板に”当院は基本的に告知を患者様本人にしています。望まない方は事前にお知らせください”という内容の張り紙を見た)

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卵巣ガン(回想) 1-1

緊急オペ

それは突然やってきた。仕事が楽しくて、楽しくて仕方がない時期だった。動悸のことも忘れかけていたし、たまにある下腹部痛も腸の調子が悪いなぁ、くらいにしか考えていなかった。最近、Gパンがきつくなったことも気にはしていたが、まさか卵巣が腫れていたとはまったく気づかなかった。

そんな、ある日の午後、腰が痛いの?歩き方が変だよ。と言われてはじめて自分の異変に気づいた。自分ではちゃんと歩いているつもりだった。それはまるで、先日 坂上二郎さんがTVで自分の異変を指摘された話をしていたがそれに似ている。

(坂上さんはゴルフ中に脳梗塞で倒れたそうですがその直前、本人はクラブを両方の手で握って打っていたと思っていたそうです。実は片方の腕はダランとしたままの状態に本人は全く気づいていなかったそうです。)

”腰、どうしたんだろう?”と、まだ私は「こと」の重大さに気づいておらず、デスクワークをはじめて間もなく、お腹が熱っぽく張ってきて鈍い痛みも出てきた。腰もかなり痛く、歩く事も出来ない状態だった。救急車を呼んだほうがいいのでは?、家の人を呼んだほうが良いのではないかという周囲の話もきかず、私は大丈夫、大丈夫。と会社を早退し、自分で車を運転し病院に向った。ほんと、ばかだ。

そんな状態だから、頭が働かない。電話で予約を入れた病院とは別の病院に行ってしまった。仕方が無いので、そのまま自宅へ向かい休むことにした。休めば治ると思っていたが痛み止めを飲んでもよくならず、ますます動けない状態が続いた。もはや何も考えられず意識が遠のいていく感じがした。どういうわけか、ただただ涙だけが流れ落ちていた。

そんな時、虫の知らせか夫がいつもより早く帰ってきた。早速、救急病院に連絡を入れてくれたが、当番病院に行くよう勧められた。その時私はまだ、自分は腸閉塞か何かだと思いこんでいて、婦人科関係ではないか?という気持ちは20%くらいしかなかった。当番病院に婦人科が無いのは少し気にはなっていたが、勧められるがまま当番病院へ夫の運転で向った。

夜の7時を既に回ってた。風邪の子供が数名いて、かなり待たされた。医者も研修医っぽく、なんだか心もとない感じだ。待ってる間も下腹部が張ってきて、まるでカエルだ。とうとうGパンのジッパーがしまらなくなってしまった。CT検査をすることになったが造影剤を入れた直後、具合が悪くなり嘔吐。CT検査はその段階で中止され、血液検査の結果もでるまでベットで横になり点滴をしていた。その時にはもう10時を過ぎていた。ようやく結果が出て「婦人科系だと思うから総合病院に紹介状を書く」といわれたがその総合病院は、夫が先に電話していた救急病院だった。あの時すんなり受け入れをしてくれていたら、この時間のロスは無かったのに。夫は憤慨し、私は大きな落胆をした。「救急車を呼びましょうか」という看護師に夫はキレてしまい、自家用車で救急病院に向った。

救急車で行かなかったために、自家用車の乗り入れやストレッチャーへの移動も思うように行かず悪戦苦闘した。ちょっと動いただけで激痛が走る。その時初めて救急車は何よりも優先されていることを実感し、救急車に乗ることは恥ずかしい事ではない、次回からは絶対救急車に乗ろう!と決意した。

救急で入っても、やはりまた検査だった。CTの写真のコピーも持たされ血液検査の結果も持たされてきている。それなのに、また、検査。足の付け根から血液を採られた時はかなり痛かった。そして、婦人科で診ることになり救急からストレッチャー移動。婦人科は別棟で3階だ。少しの振動で飛び跳ねるほどの痛み、床の段差は地獄の苦しみだった。下腹部はますます大きくなっている。針でさしたらパンッと破裂しそうなくらいだ。3階の婦人科入院病棟の診察室に着いたのは午前0時を過ぎていた。急患で呼ばれたのだろう、Y野先生が普段着で寝癖をつけたまま現れた。

「卵巣が腫れているようなので、これが原因だと思うが開いてみないとわからない」「手術するしかない」と言われ、緊急手術となった。

手術の同意書などにサインをしなければいけないが、当時医療ミスが騒がれており手術に対しての恐怖があった。だが、私は切羽詰まっていた。もう限界だった。考える時間なんてあるわけがない。なんとかサインをし、後は夫に頼んだ。「実家の母に知らせなくていいか」との夫の問いに、深夜にこんな内容の電話を入れたら、心臓の弱い母はびっくりして具合を悪くするに違いない。そして、あわてて病院に来るに決まってる。心配させて申し訳ない気持ちで胸が一杯になり、いろんな事がいっきに頭の中をグルグルまわっていた。「母には手術が終わってから翌朝にでも連絡入れて」と夫に頼んだ。夫は困っているらしく随分考えていたようだが、私が押し切ってしまった。後日、夫は母にかなり叱られたらしい。

手術室に入るとき、夫と手を握って別れたがこの瞬間が今でも一番嫌だ。もしかしたら帰って来れないかも知れないと頭をよぎる瞬間だからだ。

                                                       つづく

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2006年5月29日 (月)

卵巣ガンになった原因?

よく知人に、どうして卵巣ガンと気が付かなかったの?卵巣が破裂する前にどうして気がつかなかったの?と言われる。

若い頃から30才くらいまで、生理痛のほかにも子宮、卵巣の辺りが痛かったりと下腹部痛はしょっちゅうだった。排卵日前後に不正出血したり卵巣が痛かったり、生理不順でホルモン注射を打ってもらったりと婦人科にはよく行っていた。それに、子供もなかなかできず不妊検査にもあちこちの婦人科に行っていた。腸の病気かもと思いそっちの病院にも行ってみたりもした。右卵巣が少し腫れているようだと婦人科医にいわれたこともあったけど”生理が近いとよくあることだ”と診断されたり、排卵日の不正出血や下腹部痛も”よくあることだ”と診断されたり。見つけてもらうタイミングがずれてしまっていたようだ。早くに、破裂する前に見つけてもらっていたらと思うとちょっと残念。破裂したときには既にⅡcだった。

卵巣破裂については、摘出手術したあとに、Y野先生から「随分前に破裂していたようで今回は更に破裂したか状態が悪化したかだ」と云われた。(緊急オペの話は後ほど)

前ぶれは、破裂する2ヶ月前の休日のある日、突然の動悸に襲われた。「ドキドキドキドキ」 かなり速く脈打つが10秒か20秒間くらいで治まり、それが2、3時間おきにやってくる。心臓に悪い事でもしたか?と思い、ちょっと安静にしていたら夜には治った。病院に行くまでもないかと思って就寝。朝、また突然の動悸。会社に遅刻する旨の電話をいれて、近所の内科の病院に行った。その日は血液検査とちょっとした診察だった。「甲状腺がちょっと腫れているようですね。ホルモンのバランスが悪いのかな?」と医者。結果は来週とのこと。安定剤をもらいそのまま会社へ。甲状腺の事はちょっと気になったけど大したことはなさそうだったのでひと安心。忙しく仕事をしていたら動悸のことなど忘れてしまっていた。1週間後の結果は精神的なものだろうということで特に問題はなかった。

※後でわかったことだが再発、再々発の時もこの動悸が度々あり、ホルモンバランスが崩れているよ。ガンができそうだよと身体がサインを出してくれていた。

もっとも反省している事は、痛みに慣れてしまっていたこと。どうせ病院に行ってもまた、鎮痛剤と安定剤をもらうだけだと自己判断して日々の忙しさにかまけて3年間婦人科に行かなかった事。がん検診も受けなかった事。そしてタバコ、お酒の飲みすぎなどの不規則な生活を改善しなかったこと。ストレスを溜め込んでしまっていたこと。

いろんなことが重なってガンになってしまったんだろう。

今はタバコはやめて3年くらいなる。お酒好きな私だったが低アルコールビールを1日一本あけて満足している。規則正しい生活習慣を心がけているが、なかなかうまくいかない。食事も朝抜いちゃったり・・。

ストレスが一番悪いような気がする。ストレスも溜めないように「お笑い」を中心に番組セレクトするが、笑えない芸人もなかにはいたりするwかえってストレス。人間関係が一番ストレス?わたしは、”気にしぃ”だからこの性格をなおさないとストレスはなくならないだろう。

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